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2024年06月05日
6月3日に定例会が開会しました。
加嶋辰史は、6/14午前に一般質問で登壇する予定です。
深澤市長所信表明演説を、以下に紹介しておきます。
1.はじめに今年のゴールデンウィーク期間中の鳥取砂丘は、砂の美術館第15期展示「砂で世界旅行~フランス編~」の開幕や、砂丘西側に新たな滞在型観光施設「ヤマタ鳥取砂丘ステイション」がオープンしたこともあり、大変多くの観光客でにぎわいました。ゴールデンウィーク10日間の鳥取砂丘周辺の観光入込客数は、約18万6千人で、これまで長く続いたコロナ禍からの脱却を実感させるものとなりました。一方で、4月24日に民間の有識者グループ「人口戦略会議」が、2050 年までの人口減少に着目した消滅可能性自治体を発表され、あらためて我が国の人口減少が危機的な状況にあることが認識されました。本市においては、この問題に対応するため、5月7日、幹部職員で構成する「鳥取市人口減少対策推進本部」を速やかに設置し、部局横断的に課題の共有を図るとともに、実効性のある施策の検討を開始しました。さらに、若者目線での施策立案を図るため、「若手職員によるプロジェクトチーム」を立ち上げるとともに、県外在住の本市出身の若者との意見交換を通じて、地方創生を推進する施策を検討するための関連予算を、この6月市議会定例会に計上するなど、若者が暮らし続け、次代を担う子どもたちでにぎわうまちを目指し、人口減少対策の取り組みを進めているところです。多岐にわたる市政の課題にしっかりと向き合い、引き続き、本市の10年後、さらにはその先を見据えながら、市民の皆様と力を合わせて、本市の明るい未来を切り拓いてまいります。
2.災害からの復旧・復興本市に甚大な被害をもたらした昨年の台風第7号からの復旧・復興は最重要課題のひとつであり、発災以降、切れ目なく全庁を挙げて取り組みを進めているところです。このたび、農業生産基盤に大きな被害を受けた農業者を対象に、流失した農機の再整備や復旧農地への追加施肥による地力向上など、営農再開に向けた支援を行うとともに、災害時に昼夜を分かたずパトロールや水防などの防災活動に従事する鳥取市消防団への資機材整備を行うなど、地域防災力の向上を図ってまいります。また、被災した地域の皆様が開催する、ふるさと復興イベントや、災害記録誌の編纂を支援するとともに、6月16日には、NHK鳥取放送局との共催により防災啓発番組「明日をまもるナビ」の公開収録を実施し、大きな被害があった佐治町から大雨への備えなど防災情報を発信するなど、地域住民の防災意識の向上や、復興を契機とした地域活性化を推進します。 併せて、開園から30周年という節目を迎える、さじアストロパークについては、企画展示や記念コンサート、小惑星の命名など広く市民を巻き込む取り組みを行い、地域に勇気・元気を与え、地域と連携しながら災害からの復興を進めてまいります。
3.旧本庁舎・第二庁舎の跡地活用旧本庁舎及び第二庁舎跡地の活用につきましては、市民の皆様や市議会、専門家委員会のご意見を伺いながら、令和3年度に一定の方向性として、「防災機能の整備、緑地の配置により、『震災時の避難地及び復旧活動の拠点となり得る、緑のあふれる広場』を中心としたオープンスペースとして活用する」ことを、市民の皆様にお示しし、令和4年度、5年度は、旧本庁舎跡地を緑地広場やイベント広場、駐車場とする計画策定や実施設計などを進めてまいりました。そしていよいよ、本年秋頃から整備に取り掛かり、仕上げに、市民の皆様と一緒になって、緑地広場に芝のポット苗を植え、令和7年度末の完成を予定しているところです。また、第二庁舎跡地については、緑地広場を訪れる方などの利便性を高めるため、令和5年度に飲食・物販サービスの提供事業者の公募を実施し、選定したコンビニエンスストアが、本年夏頃の店舗開設に向けて、現在準備を進めているところです。多くの皆様に参画いただきながら取り組んできた庁舎跡地の活用も、具現化に向けて最終段階に差し掛かっております。この場所が、様々な世代が集い、憩い、楽しむ、にぎわい創出の拠点として生まれ変わることで、中心市街地の活性化はもとより、本市の活性化につながるよう、しっかり取り組んでまいります。
4.まちなか振興中心市街地の再生を図り、持続可能で活力に満ちた未来を創造するための「鳥取駅周辺再整備」について、4月22日から5月13日まで市民政策コメントを実施いたしました。大変多くの建設的なご意見をいただき、市民の皆様の期待の高さを改めて実感しているところです。いただいたご意見も踏まえて、今後、基本計画を公表することになります。今年度は、鳥取駅周辺の交通量調査やサウンディング調査などを実施し、次のステップである「整備計画」の策定に取り組むこととなりますが、引き続き、市内に居住あるいは県外に転居している若者をはじめ、市民の皆様、そして国や県、交通事業者、経済界と連携し、まちににぎわいを取り戻すとともに、地域経済を活性化させ、住んで良かった、これからも住み続けたい鳥取市であり続けるため、駅周辺の整備に向けて全力で取り組んでまいります。
5.にぎわいの創出来年開催される大阪・関西万博は国内外から2,820 万人の来場者が見込まれており、本市の魅力をPRする絶好の機会です。万博の開催に先駆け、鳥取県ゾーンのメイン展示となる鳥取砂丘や砂像、地元の特産品などの本市独自の魅力について、大阪天王寺公園で発信するなど、国内外からの誘客促進を図ってまいります。また、山陰海岸ジオパークの主要なジオサイトである鳥取砂丘周辺のさらなる滞在環境の上質化に向け、近年、イベントやアクティビティ利用が盛んで、巳年となる来年には多くの観光客が見込まれる多鯰ヶ池の駐車場や覚寺地内のジオパークトレイルコースの整備など、国内外から訪れる観光客の利便性や快適性の向上につながる取り組みを進め、滞在型観光の推進を図ってまいります。本年10月に開催される「ねんりんピックはばたけ鳥取2024(第36回全国健康福祉祭とっとり大会) 」については、5月26日に開催150日前イベントも実施されるなど、着実に準備が進んでいるところです。各種目の主管団体や関係機関の皆様と一緒になって、より多くの参加者に楽しんでいただくとともに、より多くの方にお越しいただき、本市のにぎわいづくりにつながるよう取り組んでまいります。
6.しごとづくり本市は、民間投資の呼び込みによる地域経済の活性化や雇用創出を図るため、製造業を中心とした企業誘致に取り組んでまいりました。このうち、新たに整備した河原インター山手工業団地ならびに布袋工業団地には、現在6社の企業が立地しているところです。最近の産業立地の動向としては、国内事業拠点に関する新設や増設の計画を持つ事業者の割合が増加傾向にあり、新型コロナウイルス感染症拡大の経験や、地政学的なリスクなどを背景に、サプライチェーンを見直し、国内回帰・国内生産体制の強化を図る動きが見られます。こうした動きも踏まえ、本市としても、引き続き、企業立地に向けた活動を積極的に展開してまいります。また、アフターコロナの動きが本格化し、中心市街地での取り組みを軸とする民間での投資の動きが顕在化しており、中心市街地を働く場所として再生し、その魅力をさらに向上させるため、空き店舗などへの企業の事務所誘致や出店、商店街振興組合の取り組みを積極的に支援します。このことにより起業・創業をめざす若者が集まり、交流することで生まれる新たなビジネスの創造を図るなど、民間活力を引き出す動きをさらに加速したいと考えています。このような取り組みにより、若い世代が本市での生活やUJIターンを選択するにあたって重要な要素となる、多様な業種での働く場の創出を図り、本市の持続・発展につなげてまいります。
7.人を大切にするまちづくり本市においても、ひとり暮らし高齢者や高齢者世帯の増加が見込まれ、「孤独・孤立」への対策が全国的にも課題となるなか、国においては、本年4月1日に孤独・孤立対策推進法が施行されました。老老介護、引きこもり、ヤングケアラーなど、多岐にわたる「孤独・孤立」の問題について本市における実態調査を行い、今後の施策のあり方や県及び関係機関などと連携した支援体制について検討を進めます。また、施設の老朽化などの課題を抱える若草学園について、より利用者に配慮した適切な療育を行うため、発達支援の必要な児童に適した施設のあり方などについてのサウンディング調査を実施するほか、フリースクールに通所する児童生徒に係る保護者の負担軽減を図り、学校以外での教育機会を求める児童生徒や保護者への支援を行うなど、引き続き、人を大切にするまちづくりを進めてまいります。
(令和6年6月3日本会議場にて登壇)